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2019.01.17

窓と結露のおはなし

回の記事でプランニングについて掘り下げようと予告しましたが
あまりにもオカタイ内容になりそうでしたので急遽話題を変更しまして
今の時期につきものの結露について語りたいと思います。

設計課の上村です。



最近はマルヤガーデンズの地下の食品売り場に行くのが楽しみで
他のスーパーで野菜が高かったりするとここを覗いてみたりします。
鹿児島はもとより、同じ野菜でも色んな産地から仕入れているので
選ぶ楽しさもありますね。今の時期、お鍋の食材なんかも豊富です。
あ、あとここのDeliSabotの手羽唐揚げが我が家でブームを巻き起こしています。
美味しいのでお試しあれ。

さて、おうちでお鍋を囲んだ後は心配なのが湿度の急上昇。
冬は湿度は高いほうがいいものですが、高ければ高いほど
翌朝の窓につく結露が心配ですね。

結露は物理現象です。
どんなに家の気密性が良くても、サッシの断熱性能が良くても、
湿気を含んだ空気が露点より冷たいものに触れれば結露を起こします。

窓において、結露を少しでも防ぎたいならば、
熱伝導率の低い(断熱性能の良い)サッシにすることがまず第一歩。
これは今や大概の家づくりをする人間の常識。
あと住まい手ができる工夫といったらなんでしょう??

室温を露点以上に保つ」。これに尽きると思います。

では露点とはなんでしょうか?

露点とは、「湿度が100%になる時の空気の温度」です。

例】室温22℃で湿度60%の時、その空気を14℃まで冷やすと湿度が100%になります


・・・

???

となりますよね。

整理しましょう。「湿度」は、(その空気が実際に含んでいる水蒸気の量)/(その空気が含むことができる水蒸気の限度量)×100 単位は%です。

入れ物に例えましょう。
例】50ccの水(空気が実際に含んでいる水蒸気の量)
が100cc入るビーカー(その空気が含むことができる水蒸気の限度量)
に入っていると、50/100で「50%」です。

実は空気は、温度によって含むことができる水蒸気の量が変わるのです。
高い温度の方がよりたくさんの水蒸気を含むことができます。

よって、例に挙げた「100cc入るビーカー」というのは、
例えば気温が20℃の時「100cc入るビーカー」ですが、
これが気温が10℃上がって30℃の時は「200cc入るビーカー」
と、入れ物(=含むことができる水蒸気の量)が大きくなるのです。

でも、中に入ってる水の量(実際にある水蒸気の量)は変わらないとする。
ビーカーの大きさだけが変わる。とすると、
「50ccの水が100cc入るビーカーに入っていると50%」なのが、
「50ccの水が200cc入るビーカーに入っていると25%」という具合に変わる。

これが「湿度」の変化です。

当然「50ccの水が50cc入るビーカーに入っている」
状態が湿度100%ということで、
さらに「50ccの水が40ccしか入らないビーカーに入って」

・・・入りきらないので、
10cc分は水滴となって窓の表面に付着したり、お布団や洋服やタタミに吸収されたりするわけです。

イメージが難しいかもしれません。
湿度100%以下の時、空気が含んでいる水分とは「水蒸気」
であり目に見えません。
空気が含むことができる水蒸気の量を超えると、超えた分は
「水滴」となって目に見えるようになります。

「水蒸気(見えない)」と「水滴(見える)」
をきちんと区別すると結露と湿度の関係について理解が進むでしょう。

「呼吸する材料」である無垢材や漆喰は、
つまり水蒸気や水滴をため込んだり放出したりできます。

例えば私の住んでいるマンション。
マンションは気密性が高いので湿度は高い傾向にあります
(と個人的に思っています)

私たちを囲むお部屋の表面、床・壁・天井を見てみれば、
大きくはビニールクロスと床板で構成されています。
ビニールクロスは二層構造で、
壁に張り付く面が紙で表面になる方はビニール。
床板も基材は木材ですが接着剤で固めていたり
表面に塗膜が固まっていればほとんど吸放湿しません。
すると人体から放出されたり調理や入浴の際放出された水蒸気は、
換気扇で排出しない限りお部屋の中に蓄積されていきます。
その水蒸気が結露の原因となるので比較的高湿度になりやすい
寝室の窓や、夜間暖房をきるので室温が下がるリビングの窓
なんかが朝起きると結露でビッショリでゲンナリなんですね・・・


結露防止はただ一つ「露点温度以下にしない」です。
室温をある程度に保っておけば、
気密性が良く年伝導率の低い窓なら
窓自体が室温に近くなるので、空気が冷やされて結露を起こす
という現象が改善されます。



ちなみに申し添えておきますが、
ビニールクロスや床板が吸放湿しないからと言って、
悪者なのではありません。
テクスチャが豊富で安価なこれらの素材は我々の家づくりを助けるイチ素材です。
大事なのは素材をどう使うか。

弊社標準仕様の第一種換気設備「澄麗」は、
誰もいない日中でもずっと各お部屋を換気してくれて、
外から取り込む空気から花粉やPM2.5もカットしてくれます。
おまけにエアコンで温めたり冷やした温度を
取り込む空気に乗せ換えてくれる「熱交換」付き。



最後に。
お部屋の湿度の目安は40~60%と言われています。
40%以下だと体感的に乾燥を感じ、インフルエンザウィルスも活動しやすくなり、
60%を超えるとカビの繁殖が活発になります。
お部屋に温湿度計を置いたりエアコンも高級機種になると室温・湿度・外気温も
教えてくれたりしますので、
この快適範囲になるように人の手でコントロールするようにしましょう。
置時計に温度・湿度を表示してくれるものも売っています。


鹿児島で暮らす人たちに寄り添った家づくりを。MBCハウスです

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