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2018.11.15

敷地を解く(3)~ゾーニング~

まだ小さいうちの娘に強制的にプリキュアに加入させられたので、とりあえず役名を「キュアきんにく」という事にしています。必殺技はサイドチェスト(検索してみて下さいね!)。そのわりにはやせ型の設計課の上村です。


今回の記事では「要望」「敷地」出そろった状態で、

実際のプランニングはどのように進めていくかをお話しします。


まずはゾーニングをしていきます。

 

ゾーニングとは、”部屋”を”エリア・ゾーン”に分けて、

各エリア同士のつながりを考えながら敷地内に配置していく作業です。

 

まずは”道路が東西南北どちらにあるか”を把握します。

 

道路がある方に駐車場と玄関を配置するのが

オーソドックスなプランですね。

 

次にリビング。

弊社で推奨するパッシブデザイン”の要となるゾーニングでは、

リビングは可能な限り南側に配置します。

 

そして浴室・洗面脱衣室などの水回り。できるだけキッチンに近づけます。

 

家事が楽になる動線を女性目線だとする風潮もありますが、

食事の後片付けや洗濯物を干したりする男性ももちろん居るわけなので、

水回りに関する動線というのはそこに住む人全員が関係する、

生活に直結する部分だと個人的には思います。

 

そして2階建てなら階段をどこに配するかでほぼ2階の配置

(寝室が2階だとしたら)が決定します。

 

各ゾーンに対して必要条件、

例えば1階にある和室が客間として機能するなら

玄関から直接出入りできた方がいいのか

(またはその条件はマストな条件なのか)や、

寝室なら日当たりは気にしないので

北側でいいor南側がよいor2階でいい 

などを意識しながら、部屋同士のおおまかな関係性を

決めていきます。

 

図は例です。北道路、南に開けた敷地で、夫婦二人に子一人で最小限で平屋に暮らすなら…という想定でラフに作ったゾーニング。

 

プランニング自体は、実は誰でも可能な作業で、

実際いまの時代インターネットがありますから、

検索機能を駆使してお客様で具体的な間取りを探してきて

こちらにご提示される場合もありますし、

お客様自身が考えてこられたりします。

 

その場合、我々住宅の設計・専門家の本分は、

法令遵守と構造の安全にあると思っておりますので、

住宅にかかる法的規制をちゃんとクリアできるのか、

きちんと耐震性が確保できるのか、

などを検討しながら間取り、それから外観デザインを固めて参ります。

 

なおかつ”パッシブ”というスタンダードを使って快適に、

省エネルギーな生活ができるようアドバイスさせて

頂きたいと思っております。

 

こうして出来上がったプランを”図面”という絵にして、

お客様へご提案させて頂きます。


 

たいていの場合一回で間取りが固まることはありませんので、

”資金計画”と言われる費用全体の計画案を共に

何度かお客様とお打合せさせて頂き、

合意に至れば晴れてご契約、という流れになります。

 

次回は今日の記事で出た各手順を個別に、具体的に掘り下げて参りたいと思います。


↓用語について

 

ここからはお時間のある方、興味のあられる方、お読みいただければ幸いです。

 

拙い解説をさせて頂きますと、

我々が言う”パッシブ”とは何のことか。

直訳すると”受動・受け身・消極的”です。

建築で我々が使う場合の意味合いは、”アクティブ”の対義語です。

”アクティブ”とは何か

積極的・能動的。

室内環境を快適に保つ「空調・照明・換気」を機械で制御すること。

空調はエアコン、照明は人工照明、換気は換気扇やダクト式換気システム。

 

対して”パッシブ”はそれらを自然由来のエネルギーを加工せずそのまま使うこと。

冬、主に太陽の熱を窓から取り入れる。

夏、太陽の日差しは窓から入れない。

オールシーズン、断熱をして暑さ寒さを軽減。

風が通り抜ける窓配置・形状の工夫。

昼間はできるだけ照明をつけなくていいように自然光を入れる。

 

こういった機械をつかわない工夫、すなわち電気を使わずに

快適にする工夫、これを”パッシブ”として用い、

そういうデザイン手法を”パッシブデザイン”

そういう考え方・基準を”パッシブスタンダード”とします。

上記の工夫の結果は、きちんと数値で比較することもできます。


ちなみに、こういった自然を活用する考え方自体は古来より日本にもありましたが、

きちんと数字で解析する手法が発展したのは欧米です。

欧米で確立した手法=基準=スタンダードだとすれば

ここに家相の考えを取り入れるのはダブルスタンダードとなります。

家相は風水、古代中国で確立した信仰です。

当然、二つの基準=スタンダードは矛盾する部分を包含します。

 

ではまた次回。


 
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