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2018.04.09
設計課の山下です。
日頃の業務の中で、お客様に木造の建物と鉄骨造の建物ではどちらが強いのですか?
とお尋ねされることがあります。
そのお尋ねに対する私の答えは、
建築基準法に則って建てる現代の建物であれば同じであり、
その工法の選択はお客様のニーズによりますとお答えいたします。
要するに現代の建築物は、その強度を、建築基準法によって、
仕様規定、大臣認定、構造計算のいずれかによって確かめるようになっているからです。
例えば部材として、上からの重さ(荷重)を支える柱の強さを例に説明致しますと、
木造の場合、一般的に3寸5分(105㎜×105㎜)の柱となりますが、鉄骨の場合、
それが60㎜×60㎜×2.3㎜の中空材となります。
もちろん、個々の建物の形状による構造計算によって
木造でも鉄骨造でもその部材の大きさと形状は変化しますが、
その指針は、国民の生命と安全を守る目的の為につくられた法律である建築基準法に従い建設されます。
一般の建物の場合、その強度は、
その建物が存在する期間中に4~5回遭遇する地震によって損傷を受けないようにとなっています。
数千年に1階遭遇する地震の場合は、鉄骨造であれ、木造であれ、
生命さえ安全であればその使用限界状況、つまり再使用に耐える強度を要求されていません。
何故なら、それは社会経済上の観点からです。
例えば、建物の寿命を、構造強度だけでなく、
最新の建築設備の利便性等をも考慮し100年とすれば、
千年間の間に10回は建て替える事になります。
とすれば、千年に1回、遭遇する地震の場合、壊れてもその時、建て替えた方が社会経済上、
有利であるという法の趣旨だからです。
但し例外はあります。それは原子力発電所の建物です。
原発は建物が損傷し、放射能漏れが起こると取り返しのつかない事になりますので、
たとえ数千年に1回遭遇する地震であっても損傷が無いように厳しい基準で造られています。
(ただし、津波は想定外でした)
もちろん、一般の建物の場合でも、先述しましたように、いずれの工法でも、
どんな大きな地震でも、例え損傷し傾き、使い物にならなくなったとしても、
崩壊・転倒し人命の失われることの無いようにという基準にはなっています。
さらにそれ以上の性能を求められるお客様の場合は、
長期優良住宅という制度があり、基準法の1.25倍から1.5倍の強度を持つ住宅を造ることもできますし、
それ以上の強度も構造計算により可能です。
制震(制震ダンパー MAMORY マモリー)についてはこちら